禁断の果実




「何笑ってんだよ、椎名」

「何でもないです」

2人のやりとりを見て、少しだけ緊張が解れたんだ。

「で、2人はもう仲直りしたわけ?」

突然今井先生が言い出した事に、持っていたグラスを落としそうになった。

そして、あたしと和泉先生は顔を見合わせてお互いに苦笑を浮かべている。

「・・・・今井先生・・・・喧嘩してたわけじゃないですよ」

「嘘つけ。お前が秘密の部屋に来ないから、涼介なんかピリピリイライラしてたんだぞ」


「おい、優希!!余計な事言うな」

珍しく和泉先生が慌てている。

初めて知る事実にあたしの鼓動は再び速くなった。

あたしはどう反応すればいいか分からない。

そして急に告白?した事を思い出した。

「おいおい、椎名。酒も入ってないのに顔真っ赤だぞ」

「えっ・・・いや・・・その・・・」

「涼介も珍しく挙動不審・・・」

少し照れたように目を泳がせている和泉先生を見て、今井先生はニヤニヤしていた。

「うるさいよ、お前は」