禁断の果実




黒いスーツを着ている支配人の人が笑顔で迎えてくれた。

「予約入れてた今井です。悪いけど、一人増えたんだ」

「お待ちしておりました、今井様。4名様の席をご用意させて頂いていますので、問題ございません」

にっこりと営業スマイルを向け、支配人があたしたちを奥の席に案内した。

完全個室という訳ではないけれど、ほとんど他のお客さんが見えない状態だった。

先生たちは堂々と進んで行くけれど、あたしは少しビクビクと怯えながら歩いていく。


前に何度も家族と来た事あったけど、あたしは庶民なせいか、全く慣れない。

「そんな怯えんなよ、椎名」

挙動不審になっているあたしを見て、今井先生はクスクスと笑っている。

「そんな硬くなんなくても大丈夫だよ」

和泉先生もあたしをリラックスさせるために、頭をポンポンと優しく撫でてくれた。

2人は大人だからこんなに堂々としてるんだろうか?

それともよく来るのなか?支配人の顔を見れば常連っぽいし・・・。