「今日、涼介と飯食いに行くんだよ。それで乗ってんの」

「そ、そうなんで・・・すか」

まさかこんな風に会うなんて思っていなかったから、心の準備が出来ていない。

「あっ、そうだ・・・椎名も一緒に行く?」

「へ?」

またもや予想もつかない事を言われたせいで、あたしは間抜けな声を出してしまった。


「おい、椎名は学生だぞ」

少し戸惑っているあたしに、和泉先生が横から助け舟を出してくれた。

「保護者が2人もいれば大丈夫だろ」

そりゃあ和泉先生と学校以外で会えるのは嬉しいし、今井先生の気遣いなんだろうけど、告白?したばっかりでどんな風に接したらいいか分からない。

「椎名の両親が平気ならこのまま行くよ」

「・・・あ・・・それは平気です。うちの両親は去年仕事の都合で単身赴任したんで・・・」

ってあたし・・・・何言ってんだろう?これじゃあ行きますって言ってるようなもんだし・・・。

「え?そうだっけ?じゃあ今一人暮らし?」

「あっ、いえ。兄がいるんですけど、週に一回くらいしか帰って来ないんで・・・」