「美咲はいつも先生の授業真面目に聞いてるけど、呼ばれたくないの?ああいう時しか先生見てくれないよ?所詮は一生徒だからね・・・」
真海にそう言われ、あたしは返答に困った。担任だから名前は呼ばれる事はあっても
自分だけを見てくれるのはなかなかない事だけど、そんな形で名前呼ばれたり
見られたりはしたくないという気持ちがあるからだ。
そんな真海の問いかけに戸惑っていると沙絵子があたしのの変化に気づき、割り込んでフォローをしていた。
「あっ、美咲はあたしたちみたいにバカじゃないじゃん?ちゃんと授業の時くらい勉強するって」
「授業より重要だと思うんだけどなぁ」
真海はまったく気づいていなかったけど、沙絵子は気づいていた。
あたしが本気で先生の事を好きだって言う事を・・・。
それが自分たちのように
お遊びじゃないって事も・・・
だから沙絵子はいつもこうやってあたしをフォローする。
「あたしはいいんだ・・・見てるだけで」
それが2人に言えた精一杯だった。
