久しぶりの先生が入れてくれたお茶・・・とても嬉しかった。
完全に晴れた訳ではないけれど、ずっと心の中にあったモヤモヤも少し落ち着いていた。
「・・・・来ると思ってなかったからビックリした」
いつもの優しい先生の声だった。
「・・・昨日は・・・ごめんなさい」
あたしがそう言うと、先生は少し戸惑っていた。
「・・・・・いいよ。俺も大人げなかった」
少しバツが悪そうに、持っていたマグカップに口をつける。
確かに昨日の先生は今まで見た事なかった雰囲気だった。
「椎名が話したくなければ、それでいいし」
苦笑を浮かべて言った先生の言葉で、少し胸が痛んだ。
「・・・・先生」
「ん?」
「あたし・・・本当に先生を避けてたつもりありません」
「・・・うん、分かった」
避けていた訳じゃない。自分がただイライラして、先生とどう接したらいいか分からなくて逃げたんだ。