あたしは自分の席じゃない席で、じっと無言のまま座っていた。

先生は窓のカーテンを閉めて、再びあたしの所へ戻り、隣の席に座って足を交差させた。


そしてゆっくり口を開いた。


「・・・・最近、俺を避けてる理由は何?」

遠まわしな言い方はしないで、直球に問いかけてきた。だけど、本当の理由を言う訳にもいかず、あたしは震える声で答えた。

「・・・・避けて・・・なんかないです」

女の子と一緒にいる所を見て、イライラしてますなんて、言える訳ないよ。

「じゃあ何であの部屋に来ないの?」

「・・・それは・・・毎日行ったら先生に迷惑かなと思ったんです」

あたしは何とか答えながら、スカートに置いてある自分の手をギュっと握り締めた。

自分でも訳が分からないこの胸のモヤモヤを先生に言ったって、先生だって困るはずだ。


何とか分からないように嘘をついたけれど、先生にはお見通しだった。