「2人共ずるーーーーーーい!!!!!!!」
結局、国語の時間に真海だけは名前を呼ばれなかった。
そのせいで、休み時間あたしと沙絵子に嘆いていた。
「ごめん、ごめん」
とても悪いと思っていない口調で沙絵子は謝る。
あたしは何て言ったらいいのか分からなかった。
「で、どうだった?初めて当てられる以外で授業中に名前呼ばれた感想は?」
真海はあたしの顔に自分の顔を近づけてあたしにそう問いかけてきた。
あたしはきょとんと目を丸くして見つめる。
「・・・・ホントに美咲はいつまでも消極的なんだから」
呆れたように溜息を付いた真海。
どういう意味なんだろう・・・・?
「先生の事好きなんでしょ?」
・・・・・・・・・・・・え?
今日2度目の凝視だった。
みるみる頬が火照っていく。
「あのね、あたしそこまで鈍感じゃないよ?」
真海も気づいていたんだ・・・・
あたしが先生の事好きだって。
何でこんなにすぐにバレちゃうんだろ?
「何でバレるんだろうって顔してるね」
ニコニコと頬杖を付きながら沙絵子が言った。
