【短編】絡まる糸

テーブルに置いてあったあたしのケータイは、あっさりとヤスの手に渡った。



「ヤス! やめてってば!」

「終わるにしたって、ちゃんと終わらせろよ。未練なんて残すな」

「未練なんて……」


「タラタラだろうが。おまえ、俺とホテル行けるか?」


「……え……」




あたしのケータイを握り締めたヤスは、真剣な表情をしていた。