【短編】絡まる糸

リョウから与えられた熱のせいか、思わず言葉にしてしまった。


「……」


「!? ……っあ」



あたしが言ったことへの返事はなく。


唇へ深く口づけられて、それからリョウはなにも言わず、動きを再開した。


突き動かされる快感に、あたしはリョウの表情と、唇へのキスの意味を、考えることができなくなった。





──リョウからされる唇へのキスには、意味があったのに……。