「番号教えて?」 “雨宿り”と称して入った近くのホテル。 乱れた呼吸を整えながら、力なくベッドに横たわっていると。 あたしの髪をなでながら、リョウが言った。 「……なんで?」 「また会いたいから、じゃ理由にならない?」 そのやわらかな物腰からは想像できない激しさは、あたしの知らない部分を引き出した。 「……彼女、いないの?」 髪をなでる手が心地いい。