大切なもの









「小川ー?お前元気ねえなあ」


「んー?」


少し低い声がした。



「あー時坂かあ」


「オレだったら駄目かよ」


「ううん、駄目じゃないよ」


「…やっぱお前おかしいぞ?」


「ううんおかしくないってば」


「そこがおかしい。いつもだったら「「どうせおかしい人間ですよーーっ」」とか言うし」




あはは、時坂に言われちゃったよ。


話変えよう~っ。


「…あっ、それより時坂、昔の好きな人の話とか教えてよ♪」


「駄目!!絶対駄目!星野にも聞くなよ」


「いいやんかあー☆減るもんじゃないし」


「そういう問題か?」


「うん!!」


「お前しつこいな;;それ知って何になるん?」


「え~、ただ単に時坂の好みが知りたいなあって」


「ふーん。秘密な」


「え~っっ」


「…ちゅーか話変わるけどさ、お前さ、今悩みあるやろ?」


「えっっ」


あ~あ、また時坂に見抜かれちゃった…










「べ、別に。。悩んでたら悪い?」


「いや、わりくねえけど、小川らしくねえなあって思って。いやでもお前最初で保健室で話した時も悩んでたよな??」


「…私らしいって(笑)そっかあー。で、好きやった人あててみてもいい?」


「駄目」


「え~っ」


「やっぱりいいよ。どうぞ。どうせ当てきれんやろうし」


「う~ん誰かなあ…」




とその時。


「ゆき~ィ!!」


「小川、誰かよんじょんぞ」





と、その先には小学校の頃から心友の1組の千穂の姿が。


「ん!?あ、千穂!!じゃあ時坂ごめん!行ってきます☆」


「ゆき~~早く!!休み時間終わるしっっ」


「はいはいごめん。で何?」


「あんさー明日土曜日やん♪休みやん!ゆきん家いっていい?」


「いいよー!んじゃあ待ってます☆」


「うん!じゃあねん」








…久しぶりに千穂と遊べるから、明日心友の千穂に結衣ちゃんのことをすべて話そう。


そう思った。