大切なもの

それからしばらくして3組で…


「結衣ちゃん!!!」


「ゆきちゃん。」


「あのさ、さっき表情暗かったけど…大丈夫?」


「うん。あのさ…ゆきちゃん?」


「何?」


これから、予想もつかない言葉を私は聞くことになる。













「あのさあ~…私慎二の方が好きかも。ねえ、慎二に「「結衣ちゃんのことどう思ってる?」」ってきいてくれん?」















えっ



今なんて言った?




「お願いねっ!!!じゃあ」



え…嘘。




なんで結衣ちゃんが…?じゃあ手紙も少し嘘だったってこと…??



結衣ちゃん…勝手すぎるよ。



私は結衣ちゃんの手紙でもさんざん悩んだのに…更にこんなこと言うなんて酷すぎるよ。

















それから、私はあんまり結衣ちゃんと顔を合わせないようにした。



だって会ったら「慎二にうちのこと聞いた…?」って絶対聞かれるもん。









…聞けるわけないよ。自分の好きな人に。


もし私が慎二に聞いて、結衣ちゃんのこと慎二が好きになったら…私が2人をくっつけることにもなる。




そんなの……絶対に嫌だ。














私は少し暗い顔で教室に入った。




「どしたん!?小川」


「慎二…」


「ん?」


「慎二、結衣ちゃんに何も言われてないよね!?」


「うん…言われてないけど?どしたん?」


「ううん!それだったら何でもないよ!!!」





私はそれから結衣ちゃんを避ける日々と、慎二に「結衣ちゃんから何にも言われんやった!?」という日々が続いた。










…そんなある日、教室でボーっとしていたら