10年前と、何も変わらない、病院の空を眺めて圭介は、深い溜息を

ついていた

結局、俺は何も言えなかった・・・さくらに・・・ 

あの日、悠さんからの電話をもらい

空港から病院に駆けつけた

ハングル語は二人共話せないので、英語でなんとか

日本人女性の確認がしたいことを伝えた

衣類とそのポケットの蓮の写真で 桜を確認し

手術室の前で祈った

この間に、綾瀬の韓国支社から、社員が来て

ハングル語で、術後の病室のことなど、細かいことを詰めてくれた

術後、DRから聞かされた病状・・・・

肋骨が折れ、肺を傷つけていた、そして、事故の時シートに挟まれていた

左足は壊疽が進み、膝から下を切断したということだ

切断?

とにかく、日本の病院でもう一度見てもらおう



海斗と病室に行った俺は、いくつもの点滴、酸素マスクを

している桜を見て

そのまま、目線を下へ・・・・左足・・・布団の膨らみは・・・ない

俺は、病室を出て泣いた