桜に話があるからといわれ

俺は休みに病室を訪れ

今、桜を見ている・・・まだ5ぶざきの

「きれいねー」

「もうちょいじゃない?」

「これでもいいの!蓮と見れたし!」

「そう?」

「そうなの!」

「クスクス・・・話って?」

「蓮、私退院したら、けいちゃんとロスに

行こうかと・・・思ってるの・・・」

「・・・・な・・なんで・・・」

うつむく桜

俺は車椅子の前に回り込み、うつむく桜を覗き込む

「・・・退院したら、義足のリハビリとかあるのよ

世間も・・・だから、生活基盤できるまで・・・

日本を離れようかと・・・」

世間の目・・俺も気にしていた

病院から出た桜を、レポーターは追いかけまわるだろう

俺も桜を見世物にしたいわけではない

でも、俺は何をしてやれるんだ

「・・・俺は、そばにいてほしい・・・

でも、桜が生活できないのも・・・だめだ・・・

ロスかー・・・1年だ・・・来年の桜が咲く前に迎えに行く!」

桜が一粒の涙を、きれいだ

「ありがとう、蓮」