幸せの選択

そっと離れていく顔に、ぼやける視線を合わせると、フッと笑う要さんの顔



「それは、先に言わせて?」


「えっ?」



優しく私の髪をすく要さんの右手。




くすぐったさに目を閉じると







「千秋、愛してる」



驚いて目を開けると、妖艶に笑う要さんの顔

「愛してる」の言葉が、こんなにも心のなかに染み込んでいくものだなんて知らなかった


再び流れ始める涙。
私も要さんにこの感情をわけてあげたい。


要さんの瞳の奥まで私の気持ちが届くように見つめながら





「私もです。愛してる」