幸せの選択

いつもどんな時でも私を気遣う要さんには似つかわしくない荒々しいキスが、逆に要さんの余裕のなさが、私には嬉しかった。



離されることのないキスに、息苦しさを覚える。

呼吸する隙間を見つけようと少し離れてようとすると、要さんの大きな手が私の後頭部をしっかりと包み込んで離さない。




息苦しさが頂点に達した時、クラッと足元から崩れる。



「っと」


倒れこむ寸前、腰に回された手で支えられる。







はぁはぁと足りなかった酸素を吸い込む私。





「ごめん。ちょっと余裕なさすぎだね」


私の様子を見て、苦笑いする要さん