幸せの選択

それだけで、私がどんなに要さんを好きなのかが分かる。



震える心に活を入れて、マンションの中に足を踏み入れた。
エントランスにあるインターフォンに部屋番号を押し『呼び出し』のボタンを押す。



ピンポーンと軽快な音の後






「三島?どうした?」



要さんの低くて艶やかな声が聞こえる




「要さん、遅くにごめんなさい。でも、今日どうしても話したいことがあるんです」



インターフォン越しで、要さんの顔が見えない。
向こう側でどんな顔をしているのだろう。



それは、一層私を不安にさせる