幸せの選択

「…………その気持ちって、坂巻さん?」



「……うん」





がっくりと項垂れた姿を見て、こんなにも人を悲しませている自分に嫌気がさした。






「ごめんなさい」


「………」





カチカチと時を刻む時計の音だけが唯一、この部屋にある音




置かれたコップの氷は、もうほとんど姿が見えなくなってる。







不意に、パッと顔をあげた晃樹の顔に、私は戸惑った。




だって、微笑んでいたのだから。