幸せの選択

「晃樹、ごめんなさい。私、晃樹と一緒にスウェーデンには行けない。それから、これも持っていられない」



テーブルの上に、貰ったリングを置く


目の前の晃樹の顔が、みるみる歪んでいくのが分かった。





「ごめんなさい」





深々と下げた頭






「………千秋!」


名前を呼ばれたと同時に、私の体は晃樹の腕の中に納まっていた






「……どうし……て?」



掠れる声で弱々しく問う晃樹
私を抱きしめるその腕の力は強いのに、体は震えている。