幸せの選択

「なに飲む?」


キッチンへ立つ晃樹




「あ、いいの。それより、は、話あるんだ」



「そうなの?何?」




キッチンから顔だけ出して私の方を見る晃樹
きっと、こんな時間に『話がある』なんて、不審に思ったんだろう。
戸惑ったような顔をしている。




「うん………」





「なに?」



コトンと目の前にコップが置かれる。
置かれた拍子にカランと氷の音がした。





「あの……ね、晃樹、わ、わ、私――」



「ごめん!さっきの仕事の話だよね?千秋が仕事を続けたいって言ったのに、俺が辞めろなんてさ。良く考えたら、千秋の気持ちも考えてあげなくちゃいけなかったって反省してさ」