立ち止まり息を整えようと深呼吸する



「これでいいの?」と最後に自問してみても、ハッキリと答えはでなかった。


それは、晃樹を傷つけてしまうことを恐れているから。




だけど、気づいてしまった気持ちに蓋をすることができなくなった今、このまま晃樹の隣にいることなんてできない。



切れた息は整わない。それどころか、緊張で乱れる鼓動に、息苦しさは増していく。




このままここにいても仕方がないと、私はインターフォンへと、手を伸ばした。


震える指がボタンを押して数秒



「千秋!どうしたの?」



驚く晃樹の声が機械越しに聞こえた。