幸せの選択

ガツンと頭を殴られたような衝撃



ガンガン頭の中に鳴り響く不快な音。






周囲が私を『婚約者』だと言うのを、向こうの勘違いだと思っていたのは私だけだった?



でも、あの時晃樹には「今は結婚できない」って、ちゃんと言ったはず――




「周りももう疑わないし、後は紙を出すか出さないかってことでしょ?だったら別に俺はこだわらないから」



「………晃樹……」





私の考えがきっと甘かったのだろう。
晃樹に着いていくということは、私がどんなに曖昧な立場を主張しても、そんなの誰も信じてくれない。



つまり、私が行くって返事をした時点でそういうことだったのだ。