幸せの選択

私を必要だと言ってくれる彼の手を取ってもいいのだろうか




心の中で自分に問いかける。







「それはできないよ。だって私、晃樹じゃない方を向いている」



「千秋……俺はそれでもいいよ。必ず俺を選んで良かったって思わせるから」



「そんなの分からないじゃない」






ガシッと肩を掴まれ、正面から私の目を見つめる晃樹の強い目。
さっきまでの気弱な晃樹はそこにはいなかった。







「もしも俺を選べなかったら、その時は素直に手を離してあげる」