幸せの選択

「不順だろ?」と肩を竦める要さんの姿に、またキュンと胸が鳴る。




「そんなことないですよ。要さんは素敵な出会いを見逃さない人なんですね」



「………三島……」





驚いた顔で黙り込む要さんをみて、何か変なことを言ったのかと心配になる。








「坂巻君、素敵なお嬢さんだね」



そんな私たちを助けるようにご主人が店の奥から声を掛けてくれた。




「本当ですね」



ご主人へとニッコリ笑みを返す要さん





「そ、そんなこと無いです。私いつも要さんに助けてもらってばかりで…まだまだ子供で……」



必死で否定する私に




「フフフ…本当にかわいいお嬢さんだ。ゆっくり坂巻君のために選んでやってくださいね」




そう言って再び奥へと下がっていった。