幸せの選択

「アハハッハハ……暑いですねぇ」



誤魔化すために、パタパタと手で仰いでみた。




「お前、熱でもあるんじゃないのか?」




ピタッと額にあてられた指の長い手。






触れられた所から熱が全身に伝染する。


「お、お前熱ある」




そうですよね?熱、ありますよね………

それは、要さんのせいですなんて言えない。





「だ、大丈夫です。わ、私平熱が高いんです。だから、これくらい全然大丈夫なんです」





額に置かれた手を払いのけると、「えっ?」と驚いた顔をする要さん。