幸せの選択

「そんなことーー」


「まぁ、怒鳴りこみに行く立場じゃないからやらないけど、どんな人なのか調査はしたいと思ってるよ?敵を知らなきゃ戦えないでしょ?」




その顔は、冗談とも本気とも取れない
どちらなのか計りかねて固まる私にプッと吹き出す晃樹






「なんて顔してるの?そんなに心配?安心してよ。千秋が悲しむことはしないよ?だけど、坂巻さんが相手だと困ったなぁって思ってるよ。それで焦ってる」



「晃樹……」




頬に触れた晃樹の手は微かに震えているように感じる。
その手にそっと自分の手を重ねる




「晃樹が私のことを困らせることはしないって分かってる。逆に晃樹を困らせているのは、中途半端にしている私だよね?ごめんね。私一生懸命考える。早く答えだすから」