幸せの選択

「千秋のしあわせそうな顔見逃しちゃいけないと思ってさ」


ケロッと恥ずかしいセリフを吐く晃樹に、こっちが恥ずかしくなる。





「ち、ちょっと!年上で遊ばないでよ」


「遊んでないよ?いつも言ってるでしょ?」




「………」




隣のデスクに腰かけていた晃樹は、ヒョイっと降りて私のすぐそばまで寄ってきた。



そして何も言わずにツーッと私の髪をひと束掬う




「千秋、早く俺のとこに来いよ」


見上げた顔は、すごく切なそうな顔




「晃樹……あのさ……」



「ん?」と言いながら髪を撫でる手は止めない