幸せの選択

目標時間ができると案外テキパキと仕事はこなせるもので、晃樹が「お疲れ」と言いながら入って来た時には、出口が見えるくらい終わっていた。



「お疲れさま。帰ってこなくてもいいのにご苦労さまです」


「帰ってこなくちゃいけない理由があるからね」





そう言って、私に紙袋を手渡す。
会社近くのカフェのロゴが印刷されたその袋の中を開けると、中には私の大好きな生ハムのサンド






「腹減ってない?こんな時間まで食べてないんだろ?」







キュルキュルキュル―



「アハハハ。早く食べな」


「………はい。あ、でもコーヒー淹れる約束!」






慌てて給湯室へ行こうとする私に、




「いいよ。出張カフェ」と言って差し出すコーヒー