幸せの選択

『分かった。これから戻る!そしたらコーヒー淹れて』



「えっ?ち、ちょっと」



私の言葉を聞かず電話を切ってしまった。
騒がしかった受話器の向こうからは何も聞こえない






「もぅ。仕方ないなぁ」




今頃来た電車に乗り込んで帰ってくる晃樹の顔を思い浮かべてフッと笑みがこぼれる。




疲れてるんだろうなぁ





「よし!気合い入れて美味しいコーヒーを淹れてやりますか」





晃樹がいた場所が私の家の近くだとすれば、30分で社に着く。
それまでに仕事をできるだけ片づけよう。


そして、晃樹が来たら美味しいコーヒーを淹れてそれからご飯に行こう。