幸せの選択

「お前を送っていく数分の間、俺の心がどれだけリフレッシュできると思う?」


「……」



「睡眠を10時間摂るよりもはるかに休まる」




「そんな……」



「な?」とお願いする顔の要さんに、それ以上何も言えない。






「じゃあ、お願いします」


「おう」




チャリと車のキーを回しながら、来たエレベーターに乗り込む背中に着いてわたしも乗り込む。





「フフフ……なんかこれデジャブ―みたい」


「何が?」


「要さんとこうして二人でエレベーターに乗ったなって。あの時は、こんなに近づくことができるなんて思ってもなかったから、凄い緊張してて」