幸せの選択

「いや、お前の才能だよ。頑張れよ」


「課長にそう言ってもらえるなんて本当に嬉しいです。頑張ります!」



やる気がムクムクと湧いてきた私は、思わずガッツポーズまで出てしまった。
振り上げた腕が目に入り、我に返って急に恥ずかしくなる。







「アハハハ……空回りしちゃいそうです」



そんな私の頭をポンポンと撫でながら


「その調子。お前ならできる」



と、教え子のやる気を引き出す先生のような優しい魔法の言葉が降ってきた。




柔らかなその顔に、思わずドキンと胸が跳ねる。
そして、二人きりの閉鎖されたこの空間が急に恥ずかしく思えてきた。



「どした?」