幸せの選択

「分かりました。ではよろしくお願いします。ところで、そのリーダーは何という方なんですか?」



「はい、課長の――」




その時、ガチャリと会議室のドアが開き「遅くなりました。すみません」と男性が入ってきた。



低くて澄んだその声は、耳に入ってくると同時に私の心臓をドクンドクンと跳ねさせた。





すでに誰か分かってはいたけど、声の主の方へと視線を移す。




その人もゆっくりと私へと視線を向けた。





視線がぶつかるその瞬間、お互いに驚いた顔をした。