「そんなこと……」


「あるよ。その後も何回かお前に助けられたんだ。なのに、お前ときたら俺に全然近づいて来ようよもしない。それどころか、避けられてる感じもあった」





確かに、非の打ちどころのないパーフェクトな課長には、女子社員が常に目を光らせていたし、それに第一私なんかが近づいたところで、相手にされることもないと思っていた。






「だからかな?お前がどんなヤツなのか気になったのは。しかも、公私混同もいいとこ。お前に結構仕事頼んだけど、全然気付いてもらえなかったよ」




そんな裏があったなんて、知らなかった。




要さんから頼まれる仕事は、どれも私がやっていいのかな?って思うような重要な仕事が多かったから、ちょっと緊張して……だけど、どれもやりがいがあって楽しかった。