幸せの選択

要さんのホスト姿は、想像するだけでニンマリと顔が緩んでしまう。

きっと、お店でもナンバー1だったんだろう。





「見てみたかったです」


「なんだ?」



思わず心の中の声が口に出てしまった。








「いえ……なんでもないです」



「まぁ、そんな人生。お前がいつか言ったことあったろ?俺には生活感がないって。たぶん俺には普通に生活した経験がないからだと思うよ」



それは、たぶん要さんと初めて食事に行ったときに私が言った言葉だ。






「あの、要さんのこと何も知らずにごめんなさい」




「えっ?なんで謝るんだ?お前が俺のことを知らなくて当然だろ?」