「それからすぐに乳児院、その後児童養護施設で育った。河野とは養護施設で一緒に育った。アイツは人付き合いが上手だから学校でも施設でもムードメーカーで、俺は何度もアイツに助けてもらったよ。
施設の中には親を恨んでいる奴がたくさんいたけど、俺には恨む親もいないから、不思議と卑屈には育たなかったよ。
だけど、大きくなるにつれて先の人生がすごく狭いものだと知らされた。
児童養護施設は18歳までしか入所できないんだ。みんな高校を卒業したら働く道を選ばざるを得ない。
だけど、俺と河野は大学へ進むことにしたんだ。二人で安アパートに住んで、大学とバイトに明け暮れた」
そこまで言って、フッと笑った
「金のために、三島には言いたくないバイトだってしたよ。お前の言う洗礼された所作は、そのバイトのおかげかもな」
「えっ?もしかして」
「そう。いつの間にか染みついちゃってんだな」
ワシャワシャと髪の毛をかく要さんがなんだか可愛く思える。
施設の中には親を恨んでいる奴がたくさんいたけど、俺には恨む親もいないから、不思議と卑屈には育たなかったよ。
だけど、大きくなるにつれて先の人生がすごく狭いものだと知らされた。
児童養護施設は18歳までしか入所できないんだ。みんな高校を卒業したら働く道を選ばざるを得ない。
だけど、俺と河野は大学へ進むことにしたんだ。二人で安アパートに住んで、大学とバイトに明け暮れた」
そこまで言って、フッと笑った
「金のために、三島には言いたくないバイトだってしたよ。お前の言う洗礼された所作は、そのバイトのおかげかもな」
「えっ?もしかして」
「そう。いつの間にか染みついちゃってんだな」
ワシャワシャと髪の毛をかく要さんがなんだか可愛く思える。

