幸せの選択

あまり仕事の話をしない要さんらしい返事。



今日も休日出勤だったのだろうことは、車の中にある図面ケースの数で分かった。


疲れて本当は家に帰ってすぐに休みたいはずなのに、終わってからすぐに玲衣さんの家へ来たのだろう。




今だってきっとクタクタに疲れているはずなのに……






「要さん、もう帰って休んだ方がいいんじゃないですか?」


「どうして?」



「どうしてって、お疲れなんじゃないかと思って」



「…………」





前を見つめたまま何も言わない要さん