幸せの選択

「だけどね、私は千秋ちゃんにも幸せになってもらいたいの。だから、あなたの優しさであなた自身の幸せを逃すことはしてほしくないわ」



「そうね。要の生い立ちがどんなものなのかは、千秋の幸せとは関係ないことよ?千秋は、千秋が信じる道を選んでほしいわ」




「モナさん、玲衣さん……ありがとうございます」







私の幸せを考えてくれる人が、家族以外にもいるんだってことが凄くうれしい。
ジワジワと目に涙があふれてきた。







「ちょっとぉ。私たちが泣かしたなんて言わないでよ?要を怒らせたらなだめられるの千秋ちゃんしかいないんだから」



「言いませんよぉ…グスン」




鼻水まで出てきて、本格的に泣き始めた私に慌ててティッシュを渡した玲衣さんがそっと抱きしめてくれた。