幸せの選択

「あー、千秋ちゃんは知らなかったのね。だったら、要の口から聞いてちょうだい。私からは言えないわ」




「……わかりました」



口ごもる3人にそれ以上は聞くことができなかった。




「千秋ちゃん、一つだけ俺と坂巻の育ってきた環境について言っとくね。俺と坂巻は児童養護施設で育ったんだ。まぁ、そこに至る経緯については水沼同様俺からは話せないから、坂巻から聞いて」







――坂巻課長が児童養護施設で育った?





信じられない事実に、返事も忘れてしまった。





「千秋ちゃん?大丈夫?」