幸せの選択

「でも、河野さんも思い切った決断しますね」




モナさんの隣でグラスのお酒を一気に飲み干す河野さんに聞いてみたかった。


大切に作り上げてきたお店を潔く譲れるのだろうか?と。
イタリアで子育てに専念するという決断をするまでに色々な葛藤があったに違いない。


だけど、それを最終的に決断させたものは何だったのか?





「そお?俺にとっては決断っていう程のものでもないよ?」


「えっ?」



ケロッと言う河野さん。




「俺にとっては、モナとの生活が一番大切なの。

で、モナのお腹に俺とモナの子がいるって分かったら、もう間違いなく俺はその命を何よりも大事にしたいって思った。それだけ。迷うことも何もなかったよ」




河野さんは、そう言いながらモナさんのお腹にやさしく触れた。