幸せの選択

「えっ?」



「ごめん。これ以上このままいたら暴走して、千秋に嫌われちゃう。だから、車降りていいよ」





苦しいのに、無理に笑っているような晃樹の顔。



「晃樹………」




伸ばした手を寸前の所で留めた。

だって、触れてしまったらきっと、晃樹の……そして私の未来に今日が後悔の夜になってしまいかねない。






「楽しかったよ。千秋。ありがとう。また誘ってもいい?」


明るい声で言う晃樹に私は精一杯笑って「もちろん」と答えた。