幸せの選択

「え?何なに?」



「だから、そんな顔で俺のこと見ないで」




私の顔?どんな顔?



今自分がどんな顔をしていたのだろうと、ルームミラーで確認するけど、いつもと変わらない顔。






「そんな変な顔してた?」


「変な顔なわけないでしょ。逆!

そんなかわいい顔でボーッと見つめられたら、せっかく待とうと思ってる俺の決心グラグラなんだけど?」




ペロリと下唇を舐める晃樹の顔に、ゾクリとする





「なっ!何言ってんのぉ。人のコトからかわない!」



『かわいい顔』なんて、言われ慣れて無い私。
真に受けちゃいけないとは分かっていつつも、やっぱりうれしく思ってしまう。



ニンマリしたい顔を、無理に引きしめて晃樹の方を叩く。