幸せの選択

「晃樹の話を疑ってるわけじゃないの。あなたの周りに『オカモト』目当てで近づいてくる人がいたのも頷けるし。

だけど、どうして私なのかな?って思う。だって、私たち知り合ってまだそんなに経ってないし、私の何を知ってるのかな?って疑問に思う」



まっすぐに見つめる晃樹の目の奥に、ユラユラと揺れる何かがある。
私にそれを見られたくないのか、プイッと顔をそらした




「千秋……君を知ったのは随分前なんだよ」


「えっ?……いつ?」




「前に言っただろ?三幸商事に入った時、千秋の作ったマニュアル見て作った人に興味が湧いたって」



そういえば、晃樹と初めて会った日かつての同僚がそんなこと言ってたっけ。
でも、たしかにあの時が晃樹と初対面だったはず