幸せの選択

無表情だった晃樹の眉間にギュッと皺が寄る。


運転席からこっちへゆっくりと乗り出してくる。
その威圧感に、思わずゴクリと息をのむ。






「な、なに?怒ったの?」


「怒ってないよ」



拳2個分まで近づく晃樹の顔





「千秋、俺さ信じてもらえてないってこと、すごくショック」


「えっ?」




弱々しくかすれた声と、窺うような視線。



「俺、今まで自分から人を好きになったことなかったの。だから、正直自分の好意をどう相手に伝えていいのか分からない。

それで、千秋に伝わって無かったとしたら、ゴメン」



「………」




目の前で、ガックリと項垂れる晃樹。