幸せの選択

ゴニョゴニョと口ごもる私に、ずばり晃樹が聞き返す。




「あの……その…うん、そうです」



「ハッハハ。千秋かわいいね。そういうトコだよ俺が好きになったのは」


「えっ?」






『そういうトコ』ってどういうトコ?


今の自分を振り返って、どこか特別良かったところがあっただろうかといくら振り返ってみても分からない


考えても考えても全く分からない固まったままの私の様子にクスリと笑いながら、一瞬だけこっちに顔を向けて





「ちょっと待ってて、今この状態でその話したくない。ちゃんと話すから」



そう言って、再び前を見て運転する。