幸せの選択

自分の口元に人差し指を立ててほほ笑む晃樹。


その姿が日中の爽やかな顔とは違って、色香が漂ってくる。
いつもは見せない顔を見せられるだけ。それだけで、心臓に悪い。




彼のこの顔に触れたら、どんな難攻不落な人でも簡単に落ちてしまうんじゃないだろうか


なのに、なぜ晃樹は私を好きだと言ってくれるのだろう





「ねぇ、晃樹。私不思議なんだけど」


「うん?なにが?」



運転中だからこっちに顔を向けないことを確認して、話を進める。

だって、面と向かって「どうして私のことが好きなの?」なんて自意識過剰女みたいで聞けない。




「あの……晃樹がどうして…その…私のこと……」




「好きかって?」