幸せの選択

地下駐車場を出ると、夜の景色が飛び込んでくる

時間が遅いこともあって、道は空いている。
窓を少し開けると、ひんやりした空気が入ってきた。




「千秋、酔ったの?」

「えっ?ううん。ちょっと風が気持ちよさそうだと思って。ごめんね寒い?」

「ううん、全然平気。むしろ俺も窓開けて車は知らせるの好きだから」



手元のスイッチで自分側の窓も開ける晃樹。



サーっと風が抜ける。






「今日はさ、どうしても千秋と話したかったんだ」


「うん」



「ちょっと、いい店連れて行って流れで付き合ってもらっちゃおうかなって下心満載だったけどね」