幸せの選択

「なんだ、シートベルトか」


ホッとして思わず声に心の中を出してしまった。
そんな私にクスリと笑いながら顔を近づけてくる晃樹






「何かされると思った?千秋がいいなら俺は願ったり叶ったりなんだけど?」




ツーッと顎をひと撫でされて、背筋がゾクリとする。






「い、いや、私そんな事全然思ってないから……」




ブンブンとこれでもかと顔を振って否定する。




「ふーん、残念。でも、今度さっきみたいな顔されたら、千秋の気持ち聞かずに突っ走っちゃうと思うから、気をつけてね」



「えっ?さっきの顔ってどんな顔?」



「知―らない。その方が俺にとっても好都合だし?」








晃樹は、悪戯っぽい顔をして車を発進させた。