幸せの選択

「さあ」と腕を引かれて助手席に押し込まれる。



バタンとドアが閉まって、晃樹が小走りに車の前を通って運転席に向かっている。
フロントガラスから見えた晃樹がこっちに向かって何か言っている



何を言ってるのかよく口元を見ると






『エレベーター前で俺を待つ千秋がかわいかったの』





「………」






照れた顔で言う晃樹の顔に、なぜだか私の方まで恥ずかしい気持になる。
すぐに運転席側のドアが開き、晃樹が乗り込んで来たけど恥ずかしさで顔が見れない。



「なんで千秋が照れてんの?」


下を俯く私の顔をしたから覗きこまれて、逃げ場の無い私。




「だって……晃樹がいきなり……」