幸せの選択

すぐ後ろをついて来ないことに気付いたのか、課長が後ろを振り返り「どうかしたか?」と立ち止まっている



「あ、いえ。何でもありません、ちょっとボーットして」


「腹減り過ぎて動けなくなったかと思った」





「……」

慌ててエレベーターを降りる私を見てクスリと笑う




「三島、酒飲める方?」

「まぁ、人並み程度には」

「そうか。じゃあ、車置いていこう」


右手に持ったブランドのキーホルダーがついた車の鍵をジャケットにしまう。