それが、愛情なのか情なのか失うことへの恐怖なのか、そんなこと区別がつかない。

ただ、私の前に頭を下げる弘之に手を差し伸べればまた私の下へ戻ってきてくれるんじゃないかと、考えてしまっている



そんなことしたら、お互いにまた同じ過ちを繰り返すだけなのに……




でも、今この手を伸ばさなければこの先弘之と戻ることはできない。






どうするの……?













「千秋?ごめん。こんなんじゃ俺の独りよがりだよね。

千秋にしたことが許されるなんて思ってないよ。だから、もう千秋の前には現れない。今日みたいに偶然会っても声かけないよ。安心して。じゃあ俺行くね。元気で」